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社会学
人種エスニシティ研究
国際移民研究

大学・大学院では社会学を専攻し、20世紀のアメリカ合衆国における日系移民コミュニティの歴史的変容をテーマに博士論文をまとめました。その後は、おもに３つのテーマを中心に研究をすすめています。１つめのテーマは、アメリカ社会における多文化主義の展開です。アメリカでは、1990年代に多文化主義の是非をめぐって大論争となりました。多文化主義的とされる社会運動や政策が、1960年代以降の半世紀の歴史のなかで、どのように実施され、それが現在の人種関係をどのように規定しているのか。その限界と可能性を考えています。２つめのテーマは、アメリカの移民政策、市民権政策の歴史および比較研究です。近年では、重国籍、市民権、排外主義などの国際比較をテーマとした共同研究プロジェクトに参加しています。また、2019年に１年間トロント大学で研究したことをきっかけに、カナダとの比較にも関心を持っています。３つめのテーマは、在米日系人社会の変容です。博士論文以降は、第二次世界大戦後の西海岸の「多人種都市」における日系人を取り巻く人種関係や、戦後日本社会との太平洋を横断する結びつきについても研究をすすめています。

私は、大学院生の頃、国際移民や多文化社会をテーマとした国際社会学を専攻しながら、アメリカ史を学ぶゼミにも参加していました。そうして学んでいるうちに、社会学的な問題関心を歴史学的な方法を用いて追求するという研究手法が自然と身についていました。今もそれぞれの領域を行き来して、それぞれの視点や方法に学んでいます。学際性というのは、しばしば「中途半端」と見なされることも少なくないですが、今後も、いい意味での「中途半端」を追求することで、研究対象に挑んでいきたいと思います。グローバル・スタディーズ研究科では、ディシプリン、方法、時代、地域を横断しながら、各分野の専門家から学ぶすばらしい機会が用意されています。「中途半端」を恐れることなく貪欲に学び、さまざまな分野の大学院生や研究者と意見を戦わせ、自分の研究対象に迫るための最良のアプローチを見つけてほしいと思います。

When I was a graduate student, I majored in sociology of immigration and multicultural society while joining in a seminar which specialized in American history. Through the learning from both fields, I had obtained a research method by which I pursue sociological interests with historical inquiries. I am still going back and forth between both fields and learning viewpoints and methodology respectively. Although “interdisciplinary” is often seen as “incompleteness” as an academic field, I am eager to challenge the subject of my research by enjoying the benefits of “incompleteness” between the disciplines. You will have wonderful opportunities to learn across disciplines, methods, periods, and regions in the Graduate School of Global Studies. Please don’t be afraid to be “incomplete.” I hope you will enjoy discussing with students and scholars in different fields and find the best way to seek your research interests.